マネージャーからおすすめされた本。でも買ったまま2年くらい積んでしまっていた。マネージャー、すみませんでした…
どういう本か?
タイトルにある通り、アイデアを組織に広めるための48のパターンについて紹介する本。
構成としては大きく3部に分かれている。
- 第1部と第2部: パターンの使い方と体験レポート
- 第3部: 48のパターンのリファレンス
1部は48パターンが網羅されるようにストーリー仕立てで書かれており、2部は実際にあった様々な事例についてのレポートになっている。
忙しい場合、 第1部を読むだけでも十分に価値がある。 「確かにこういうやり方ならうまくいきそうだな〜」とか、「自分がやってたこれってこういうパターン名がつくんだな」という発見がある。パターンの詳細は3部にしか書いていないが、パターンの命名がわかりやすいので雰囲気でだいたいわかる。もしわからなければ、そこだけ先に読むのも良いと思う。
誰が読むべきか?
この本はタイトルが示す読者層より、 かなり広い層がターゲットになっている。
- アイデアを組織に広めたい、布教したい人
- コミュニティを作る方法を知りたい人
- 会社内で改善活動を進めようとしている人
- 起業したい人
布教活動、改善活動などをしている人 にはぜひ読んでほしい。
あと、意外と プログラミングの設計に通ずる箇所も多かった。 「空間を演出する: 思い出すきっかけがなければ、新しいアイデアは忘れ去られてしまう」はドキュメントの管理に通ずるし、194ページの「技術を売るな、仕事上の解決を売りなさい」はプログラマが技術選定でよくやらかすミスだ。
読んでてよかった箇所、面白かった箇所
以下は読んでて面白いと思ったところなどの感想。
小さく試して、成功したらそれを祝い、失敗したら反省して次の糧にしていこう、未来は不確実でアンコントローラブルでどこに辿り着くかは誰にもわからないから、まずは小さくトライしていこうというのはその通りだなと思った。タイトルにある「アジャイルに効く」という部分がそれを表しているが、本当に大事。
成功の確率は助けを求める能力に比例しているものだ (128ページ)
この言葉、めっちゃ良い。実際そう。ひとりでタスクを抱え込んでいては進むことはない。
俺がよく唱えてる「仕事の恥はかき捨て」とだいたい同じことも書いてあってびっくりした。
あなたの最高な武器のひとつは、恥をかくのを恐れないところだ (236ページ)
改善活動をしていると、大なり小なりコミュニティを作って活動していくことになると思うが、その時に「メンバーに自分ごとと思ってもらうことが大事」って書いてあって確かにな…ととても思った。あんまりできてなかったと思う。独善的に1人で全部コントロールするんじゃなくて、ちゃんと協力してもらうの大事。