Panda Noir

JavaScript の限界を究めるブログでした。最近はいろんな分野を幅広めに書いてます。

JSON.stringify の返り値は undefined になることがあるよ

JSON.stringify(undefined)undefined です。 以上です。

正答率10%。みんな undefined を渡したときの挙動を知らなかったっぽいですね(僕も知りませんでした)

補足

JSON.stringify に undefined を渡した時の挙動は ECMAScript (ECMA-262) の JSON.stringify でちゃんと定義されています。

他の例外パターンとして、循環があると TypeError が起きるようです。

a = [];
a[0] = a;
my_text = JSON.stringify(a); // throw a TypeError.

また、JSON.stringify(function() {})undefined になります。

さらに補足

JSON.stringify の型をみると string しか返ってこないことになっています。 2017 年に issue が建てられていますがまだ解決していません。https://github.com/microsoft/TypeScript/issues/18879

React のコールバックrefが呼び出されるタイミングは、コールバックrefの実装によって違う

コールバックrefの実装方法によって ref が渡されるタイミングが異なります。

  • インライン関数で渡した場合(<element ref={(ref) => {}} />): 再レンダリングされるたびに呼び出される
  • メモ化したり、クラスのメンバーに格納して各レンダリングで同じものを渡した場合: マウント時とアンマウント時にのみ呼ばれる

インライン関数で渡すと、再レンダリングのたびに2回呼び出されます。1回目の呼び出しでは null が渡され、2回目では element が渡されます。

どちらの実装方法でも、マウント時には element が渡され、アンマウント時には null が渡されます。

codesandbox で作ったデモ

参考にしたページ

https://ja.reactjs.org/docs/refs-and-the-dom.html#caveats-with-callback-refs

引数は固定だけど返り値でジェネリクスを使いたいケースがある

In short:

  • 関数が reference を返す場合(useRef の返り値など)は返り値のみにジェネリクスを使っても問題ない
  • fetch のような返り値が引数の内容によって決まるケースでも(型安全性は犠牲になるが)使うことがある。

ジェネリクスの一般的な用途

そもそもジェネリクスの目的は 「引数の型だけちょびっと異なる型を上手く扱いたい」 というのが原点です

const id = <T>(x: T) => x;
const toString = <T>(x: T) => `${x}`;

id 関数も toString 関数も、引数の型として number も string も受け付けています。

このように、ジェネリクスは引数の型を可変にするために使われるのが一般的 です。

引数にジェネリクスを使わないパターン

引数にジェネリクスを使わないパターンは ごく一部の例外を除いて存在しません (その例外についてが本題なので後述します)。

例えば常に例外を投げて失敗する async 関数を考えます

const throwError = <T>(): Promise<T> => {
    throw new Error();
};

型検査も通りますし、使うこともできます。ただ、Promise<T> の代わりに Promise<never> と書いても同じです。

const throwError = (): Promise<never> => {
    throw new Error();
};

このように、返り値にジェネリクスを使わない形に書き換えられるケースがほとんどです。

返り値にのみジェネリクスを使うケース: 返り値が reference のとき

見てきたように基本的に返り値にだけジェネリクスを使うケースはありませんが、レアな例外の一つが reference を返すケースです。React ユーザーであればすぐピンとくると思います。

たとえば const divRef = useRef<HTMLDivElement>(null) のようなコードを書いたことがありませんか? この場合、引数は null ですが、返り値が RefObject<HTMLDivElement> です。まさに引数にはジェネリクスを使わないのに返り値にジェネリクスを使うケースです。

このように、状態が変化しうるものが返り値のときは、返り値にだけジェネリクスが現れます。

返り値にのみジェネリクスを使うケース: fetch 関数

fetch 関数も、返り値にのみジェネリクスを使う例外の一つです。

const fetchAPI = <T>(endpoint: string): Promise<T> =>
  fetch(endpoint).then((res) => res.json());

ただし、この場合は実はジェネリクスを使わなくても書けます。

const fetchAPI = (endpoint: string) =>
  fetch(endpoint).then((res) => res.json());

この場合、Promise<any> が返ってきます。つまり、any を T に変更しているのです。実際には any なので当然、型安全性を損ないます。ただ、「API は滅多に変わらないから type guard なしでキャストしてしまおう」という判断は実際のプロダクトでも十分考えられます(type guard を手動で管理しようとすると結構な労力になるので…)

このように型安全性を多少犠牲にしつつ利便性をとる場合にも使われることがあります。当然ですが多用すべきではありません。

まとめ

ジェネリクスが返り値に現れた場合、それらはほとんどの場合 unknown あるいは never で置き換えることができます。reference を返すケースを除けば、型安全性のためにも返り値だけにジェネリクスを使うのはお勧めしません。

git でブランチを切り替えたとき、node_modules を更新する (キャッシュ機構付き)

結論: 以下を .git/hooks/post-checkout に追加

#!/bin/sh
PREV_BRANCH=`git reflog show -q | head -n1 | awk '{print $6}'`
CACHE_DIR=~/.cache/my_project_node_modules
mkdir -p $CACHE_DIR
prev_node_modules_cache="$CACHE_DIR/$(git show $PREV_BRANCH:package.json | shasum | awk '{print $1}')-$(git show $PREV_BRANCH:package-lock.json | shasum | awk '{print $1}')"
cur_node_modules="$CACHE_DIR/$(shasum package.json | awk '{print $1}')-$(shasum package-lock.json |awk '{print $1}')"

if [ "$prev_node_modules_cache" = "$cur_node_modules" ]; then
  exit
fi

mv node_modules $prev_node_modules_cache
if [ -d "$cur_node_modules" ]; then
  mv $cur_node_modules node_modules
else
  npm ci
fi

解説

package.json と package-lock.json をキーに、node_modules を ~/.cache/my_project_node_modules へ保存している。

  • 切り替え前のブランチと package.json も package-lock.json も同一の場合: 特に何もしない (同じ node_modules を使う)
  • 切り替え前のブランチと package.json か package-lock.json が異なる場合:
    • まず、今の node_modules をキャッシュディレクトリに移動する
    • 既にキャッシュが存在する場合: キャッシュディレクトリから適切な node_modules を持ってくる
    • キャッシュが存在しない場合: npm ci を行う

node_modules をコピーではなく移動させているだけなので、かなり軽快に動作する。

(ざっとしか検証してないので、動かなかったらコメントお願いします)